■2010年7月
フェラーリ458イタリアはF430の後継モデルとして2009年秋のフランクフルトショーで発表された。外観デザインはピニンファリーナの手によるもので、エアロダイナミクスを追求してコンパクトで空力特性に優れるのが特徴。前後のランプにはLEDが採用され、フェラーリらしさを継承しながらも新しい要素を取り入れている。搭載エンジンは90度のV型8気筒4.5リッターで、車名の458は排気量と気筒数の数字から付けられた。リヤのミッドシップに搭載されるV8エンジンは、直噴仕様によって425kW/540Nmのパワー＆トルクを発生する。自然吸気エンジンの基準を塗り替える動力性能だ。しかも最高出力を発生する回転数は実に9000rpmに達している。ロードカーとしては最高の回転数である。7速のF1デュアルクラッチとの組み合わされるとともに、E-Diff3(電子制御ディファレンシャル)やF1-Tracと総合制御されることで、優れた運動性能を発揮する。2008年からフェラーリで採用が始まったブレンボ製のカーボンセラミックブレーキは458イタリアにも採用されており、スポーツABSと合わせて安定した制動性能を発揮する。インテリアはフェラーリの伝統的なデザインテーマを革新的かつ機能的な方法で新しくしたのが特徴。主要のスイッチ類はステアリングホイールに配置され、使用頻度の低いスイッチは左右のサテライトポッドに配置された。ドライバーが運転に専念しやすいインテリアが徹底して追求された。